サザンオールスターズの「唐人物語(ラシャメンのうた)」という楽曲を語る

皆さんこんにちは。

ただの桑田ファンが楽曲について好きに語るコーナーですよ。

まず第一弾は「唐人物語」という曲についてです。

唐人物語(ラシャメンのうた)
作詞:桑田佳祐/作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
収録:1998.10.21リリースのアルバムさくら(Sakura)に収録

概要

「ラシャメンのうた」というのはサブタイトルで、
タイトルは普通に「とうじんものがたり」と読むそうですよ。
(Wikiに書いてあった)

1998年発売の名盤アルバムさくら(Sakura)のオリジナル曲です。

原坊がボーカルの曲で、桜の花びらが大量に舞い散るような、情景が思い浮かぶような、
和を感じさせるような、そしてどこか切ない感じの、そんな美しい旋律を奏でるような、メロディラインですね。

歌詞

歌詞の説明はWikipediaの説明が一番しっくりくるんで引用します。

歌詞は江戸時代末期に実在した芸者“唐人お吉”こと斎藤きちの事を綴っている。
また“ラシャメン”とは「洋妾」の事で、異国人にその身を売った者を迫害する意味の言葉でもあった。
Wikipedia さくら (サザンオールスターズのアルバム)より引用

Wikiにもあるように、江戸時代に実際にいた人、「唐人お吉」こと
「斎藤きち」が主人公の歌であります。

お吉さんについて

お吉さんをものすごく簡単に説明してしまいますと、
1857年(安政4年)5月、静岡県の下田(玉泉寺)にて、日本との外交活動に励んでいた
アメリカのタウンゼント・ハリスが体調を崩した際、通訳が「日本人看護婦」の斡旋を地元の役人に
要求したところ、当時の日本には看護婦の概念が無かったようで、愛人の斡旋と誤解してしまいます。
そこで、ハリスの愛人候補に挙がったのが、当時地元で人気者の芸者、眉目清か麗しい「お吉」だったんですね。

当時の日本人は外国人に強い偏見を持っていましたし、何よりお吉には幼馴染の婚約者がいましたから、
お吉はそれを拒否しました。
しかし、役人の執拗な説得によりお吉はハリスのもとへ赴くことになったのです。
お吉はハリスの容態の回復に務め、また、ハリスが日本の為に活動をしていることを知り、
ハリスと共に日本の為に尽くそうとします。
お吉の頑張りもあり、ハリスの容態は回復していきます。

お吉は当時、相当なお給料をもらっていた上に
偏見の対象である外国人の愛人と見られていたわけですから、(実際には愛人ではない)
世間からはひどい軽蔑の目を向けられてしまいます。
ハリスに仕えたのはたった3か月の間だけでしたが、再び芸者となったお吉は
なお世間からの冷たい視線を浴びることとなり、次第に酒に溺れるようになります。

その後、髪結業や小料理屋などの事業に手を付けるも、周囲の偏見や自身のアルコール依存のせいで
店はうまくいかず、その後、数年間の間物乞いとなり、ついに稲生沢川に身を投げ自殺をしてしまいます。

お吉さんは”悲劇の女性”として、今となってこそ語られているのです。

お吉さん関連の詳しいエピソードはこちらのページで詳しく書かれてましたのでご紹介。
http://www12.plala.or.jp/bookclub/okichi.html

 

この楽曲の魅力

曲の話に戻りますけど、この曲の魅力と言ったらやはり歌詞と、
その歌詞を歌う原坊の透き通るような声、和を感じさせる美しくも悲しさを感じさせる
メロディといったところでしょうか。

歌詞が良いというのは、歌詞の内容もそうなのですが、
注目すべきは歌詞の…なんていうか、言葉のチョイスと、その語呂の良さといいますか、
俳句や短歌を思わせるような、なんていうか、メロディが無くても音楽になりそうな、
流れるように読める言葉の美しさがあります。

桜見頃の唐人坂で
巡る想いは ひとりひとり
泣けば花散る一輪挿しの
艶(あで)な姿は春の宵
( 「唐人物語」歌詞の一部より抜粋)

この俳句のような、短歌のような歌詞と
メロディ、原坊の声が見事にベストマッチしています。

 

これを作詞・作曲した人が、マンピーのG★SPOTなる曲の作詞作曲と
同一人物というのだから、とんでもないです。

この”ギャップ”も、サザンの一つの魅力なんでしょうね。

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